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アダルトチルドレンの症状をどうにかしたい話〜本を読む編4→〜哲学編2 自由を考える〜

エーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」を解説した動画を見る

 

youtube.co

 

 

自由の歴史

時代と共に変化してきた「自由」を学ぶ。

中世まで

・社会に束縛されていた

・社会が要請する役割を果たすことで帰属感を得ることができた

・実生活においてはそれなりに個人の自由もあった。 

・神の存在はそれらの帰属感をより一層深めた。  

・資本も生きるための道具の一つでしかなかった。

 

ルネッサンス以降

・個人としてのアイデンティティを手に入れた。 

・自由を獲得したが、同時に孤独の獲得でもあった。

・自由の獲得が、彼らの中で競争が起こる原動力になった。 

・足りなくなった帰属感を埋めるために、世の中に名を残すことによってその不足を補おうとした。 (名誉欲)

・労働者階級はルネッサンスの恩恵を受けず、 それまでの安定は消え格差が現れた

・組織も大きくなり、自分がしている仕事の全容を把握できなくなった。

・能率が価値を占めるようになり、一分一秒が重要になった

・それまでの仕事は生きることと同義だったはずです。
そして

・資本は人間を支配するようになる。

 

宗教改革以降

カトリック

・人類皆神の子として、人々それぞれに大きな価値が置かれていた

・教会が命じる儀式がすべて

 

【ルター】

・神という大きな力の前では人間は無価値

・「信仰を表現するために、禁欲的に働くこと」が求められた。(強い勤労意欲を生んだ)

 

カルヴァン】(予定説)

・どの人間が天国に行けるのかはあらかじめ神によって決められている。

・神は全能で人間は無力だから、人間の行為ごときに運命を変える力はない。

・天国に行ける人間が決まっているか、気になる。

・選ばれし人間は現世でもそのような振る舞いをするんだろうと考える

・世俗的な成功を得ることで、自分は天国に行ける人間であるという証明を求める

・人々の勤労意欲を強烈に押し上げた

・人間には根本的に不平等が存在するという価値観を醸成した



【英国教会】(アングリガン)

・英国王がカトリックから独立

・独立したものの教義はほぼカトリック
(※かのヘンリー8世が離婚したいから、離婚を禁じるカトリックから独立した説がある)

・宗教上の王を設定し、これが現在まで続いている

 

ピューリタン

・英国教会を批判したカルヴァン派

アメリカに渡り「自由の国」を作った

 

資本主義とプロテスタント

【資本主義とプロテスタントの教義の関係】

・神という大きな力の前では人間は無価値(自己否定)

・「信仰を表現するために、禁欲的に働くこと」が求められた。(禁欲主義)

経済活動が生活そのものだった時代は終わり、経済活動や成功それ自体が目的となりました。つまり、資本が人間を上回ったのです。

この要素が資本主義の発展に大きく寄与したのは疑いようがないでしょう。

 

・資本主義は利己心を原動力にする
それぞれの人々が利己的利潤を目的に自由に動くことで、
全体の経済が発展するという仕組み

 

・一方でプロテスタントの教義の中心は非利己主義
徹底した自己犠牲を重視する

 

★利己心は自愛であり、自愛は罪であると考えた
利他的な他者愛が至高
(ルター・カルヴァン・カント・フロイト

 

★利己心は自愛の欠如

自愛が欠如していることで不安が生まれ
それを埋めるために利己的な行動をしている

利己心と自己犠牲は矛盾せずに同居する

(フロム)

 

近代化の影響によって、人々はそれまでよりも自分を愛せなくなった。

その自愛の欠如が利己的な行動を加速させ
それが資本主義の原動力になった

 

 

【社会的自我】

・近代人が関心を持っている自我は本当の自我ではなく、あくまでも社会的自我(社会用の自分)

・社会が社会的健康性を強要するため、本来の自我は無意識下に追いやられている

・人間関係は、かけひきと手段の精神によって行われるようになった。

・人間はある意味商品となり、取引されるようになった。

・社会的な自我の欲望を埋めるために利己的に行動する→消費につながる

 

 

【社会的健康】

社会的健康:その社会において正常であるか?

個人的健康:個人の成長と幸福のための最上の条件。


これらのギャップが限界に達したとき、その状況からの逃走が行われれる

=自由からの逃走(フロム)

 

 

自由からの逃走


権威主義

・人間は抱えている自由の重荷にそのうち耐えきれなくなる

・強大な依存先になすりつけたいと考える

・大きな力に服従することで、孤独感をなくし安心感を得る。

・自分には価値があると認識できる。

・被支配者は支配者への憎悪と無力感を納得させるため、認知的不協和的に支配者を賞賛するようになる傾向がある(以下の②の場合)

 

①仕事量に応じて権威と被支配者の関係が近くなるパターン
学校での先生と生徒の関係
先生が生徒に教えるごとに先生と生徒の距離は近くなる。


②仕事量に応じて両者の距離が遠くなるパターン

資本主義における資本家と労働者の関係

仕事量が増えれば増えるほど両者の距離は広くなり、格差は広まる。

 

機械的画一性】

・文化的鋳型、つまり社会に求められるパーソナリティを完全に受け入れ
自動機械として生きていく方法

・本質的自己を封印して完全に社会的自己として生きる道を選ぶと
両者の矛盾は消え去り、当面の不安は無くなる

 

【依存先】

宗教改革、ナチズム(外的な権威)

・世論や良心や常識や社会性(内的な権威・匿名の権威)

 

 

個人の中から発生する思考か

信仰の自由、言論の自由権力の束縛からの自由を勝ち得たが、

その反面、我々は他人の期待(世論や常識)に一致するように注意を払うようになった。

社会的健康を優先し、欲しい物や思想も社会に考えさせられている。

社会的自我の思考・欲求ではないか。

社会的自我と個人的自我の差分が大きくなると、人生に閉塞感を感じる。

 

現代社会の多くの人々は匿名の権威に服従
ある意味機械人間として生きているとフロムは指摘します。

そのような人間は他人の期待に従って行動するときのみ
自我を確信できるようになります。

これに反すれば社会的には狂気と見做されます。

 

 

愛は技術である

孤独を服従以外の方法で解消するためには 能動的な愛の行為が必要であり、
その愛の行為を達成するためには愛の技術を習得しなくてはならない。

 

愛に対する勘違い

愛に対する勘違いが、行き場のない不安感を増長させている

【勘違い】

・愛は感情の一種であると考えられている

偶発的に愛が芽生えるのような勘違いが生まれる

 

・愛せる対象が現れれば自然と愛は生まれると考えている
愛することは簡単だという認識が広まってしまっている

 

・愛することよりも愛されることを求めている
愛が自発的な行為だとは考えずに、
与えられるものだと誤認してしまっている

 

 

愛の技術を身につけるための環境を用意する方法

愛を身につける技術を、テキストで解説するのは無理だが

愛の技術を身につけられる可能性を作る方法

 

・自分の意志によって、自分の生活習慣を正し、心身ともに健康でいること

・一人で何もしない時間を作る

・信念を持って行動する(忍耐が必要である)

 

私たちがどんなときに信念を失い、ずるく立ち回り、
それをどんな口実で正当化するのかをよく調べよといいます。

それによって、私たちは愛されないことではなく、
愛することを恐れていることに気付くだろうと指摘しています。

 

ナルシシズムの克服

ナルシシズム

自分の内に存在するものだけを現実として経験し
外界の現象はそれ自体では意味を持たず
自分にとって有益か危険かという基準からのみ判断される状態。

 

【客観力】

ナルシシズムの対極にある

人間や事物をありのままに見て
その客観的なイメージを自分の欲望と恐怖によって
作り上げたイメージと区別する力。

 

ナルシシズムというモザイクを取り払わない限り、
愛の技術の習得はあり得ない

 

愛とか言われても〜

正直「愛」という言葉に抵抗感がある。胡散臭い。

ただ、客観力の部分までは、かなり納得した。

 

エーリッヒ・フロム

エーリヒ・ゼーリヒマン・フロムは、ドイツの社会心理学精神分析、哲学の研究者である。ユダヤ系。マルクス主義ジークムント・フロイト精神分析を社会的性格論で結び付けた。